涙を知った後。
顔に血がついてて怖いのに
ほのかに出ている汗と
冷めた目つきには
色気があった。
怖いけど普通にかっこいい。
土田蓮に近付いて紅葉は
タオルで血をふいていた。
そんな二人をみてうちは邪魔者だったから
おさきにーといって
先に帰った。
そして、二人が付き合いだすのには
そう時間はかからなかった。
それからは毎日のろけのろけのろけ。
いい加減、ウザい。
そう思いだした頃、事件がおきた。
いつもの塾。
特に変わりはなくて
本当に普通だけど
その普通な場所に
いつもの顔じゃない人がきた。
それは目を腫らせて
いまにもまた泣き出しそうな紅葉。
「え、紅葉!?
どうしたの!!!???」
そんなうちの問い掛けに答えず
そっとその場に紅葉は倒れた。