涙を知った後。
第11話
やっぱりすぐには
憐を失った悲しみは消えない。
一緒にいた期間が長すぎた。
15年間くらいかな?
そんな期間を一瞬で
忘れれない。
「いい思い出」にできるほどあたしは
利口じゃない。
だからやっぱり
目がさめた真夜中。
体中には無数の包帯に
たくさんの汗。
ベッドもぬれてて
いつもならおねしょみたぁーい!!とか
いってられるけど
あいにく息が上がって
それどころじゃない。
あぁ、寂しい…
やっぱりあの時
死ねたらよかったのかな…
憐…
あいたいよぉ…。
憐を考えると
涙が止まることなく
おちてくる。
個室だからよかったものの
やっぱり大声じゃなけないから
声を殺して啜り泣くしかない。
いつからか
大声でなくことはなくなった。
周りに迷惑なのもあるけど…
正確には泣けないんだよね、
一回泣いて終わり、そんなのいやだから。