涙を知った後。
時刻は午前2時
とっくに面会時間なんてすぎた
つかこんな真夜中に人はこないから
なんだかあの時の
風呂場での出来事に敏感になる
自殺…
未遂におわった計画を
また起こそうとしているあたし
あんないたみ
もう感じたくないはずなのに…
「う…ッッ…ッッ」
あたしは声にならない声で
泣いていた
そんなとき
窓からガタッと音がした。
風?
カーテンがしまってて
外の様子はわからないし…
でもあたしがいるのは5階だから
人がくることはないはず…
え、こわっ
体がブルブルッと震え
勢いにまかせ窓をあけた
「………え」