涙を知った後。
沈黙が余計にあたしらを不安にする
誘うのはこれがさいご
コイツがはいらなかったら…
その静かな空間で蓮がいった
「俺…、憐にはすっげー感謝してるし
お前らには申し訳ないって思ってる。
大事なメンバーを俺が奪って
皆辛ぇのに、俺だけ平然として…。
だからできる事はしたい。
だから、お前らのバンドには入る。
でも俺は、償いでギターをやる気はねぇ。
杉崎憐のギターの変わりじゃなくて
土田蓮のギターを認めてもらいたいんだ。
我が儘だし、こんなん言える
立場じゃねぇけど…」
長々と蓮が自分の本音を話す
それを途中で遮ったのは
由真だった。
「んで結局あんたは、入りたいの?
認めてほしいだとか
悪いと思ってるだとか
んなこと聞いてないの。
やる気があんなら入ればよし
やる気がないならやんなきゃいーの
あんたなんかを憐の代わりにするぐらいなら
他の奴誘うからな!!
…でもうちらのリーダーがお前を選んだんだ
やる気があんのかないのか
しっかり言え。
少しでもまようなら
入るな。
ただな、うちのリーダーは
大事な憐の身代わりだとか
んなことまったく考えず
一人の人間としてのあんたを認めたんだ。
それは、それだけはしんじろ。」
由真の表情はつめたかったけど
台詞はどこかやわらかかった。
だからかな…?