名も無い歌
休憩に入り、アザミと二人で外を見ようとした。物販のための長蛇の列は、本当に蛇のように門の外まで伸びている。

「今17時だから、あと1時間だ。」

「上がってきた、」

「テンションが。」

その場でぴょんぴょん跳ねるのは俺たちの癖だ。(彼は俺に影響されたのがきっかけだが。)緊張したりテンションが上がると跳ねたくなる。

その時ライターさんが来た。

「また跳んでますね。」

「書きます?」

「勿論。」

彼はFCの会報のライターだ。他にもDVD用のカメラマンやら、雑誌のライターやらが来ている。

「上がってきた?今日のコンディションはどう?」

「かなり良いです。そわそわしてあんまり眠れなかったんですけど、耳も全く支
障無いんで。」

「俺も良いです。眠れないってまたアザミに電話しちゃいましたよ。」
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