名も無い歌
メイクを終えて衣装を着た俺たちを、楽屋の中ではDVD用のカメラで撮っている。
「今日の格好見て見て!」とアザミがくるりと回る。周りのスタッフさんはその無邪気さに笑う。あんなん、無理してんのバレバレなのに。
「この長ーいスカーフが尻尾みたいにフワフワして可愛いんですよ。」
サルエルの所為か、ポップな格好だ。しかし背の高いアザミはサルエルでも足が長く見える。
「ねえ、何で俺はショートパンツなの?がっつりインディーズのヴィジュアル系じゃん。」
「「初心に戻るため!」」
スタッフとアザミが口を揃えて言う。
「確かに昔はこんな格好してたけど……今になって。」
「似合ってるから大丈夫。」
笑いながら言われても凹むだけなんだよね。アットホームなこの空間も、最後だと思うて寂しかった。
「開演五分前でーす。」
袖に皆で集まると、円陣を組む。
「ラスト成功させるぞ!」
「「おう!」」
ハイタッチでドラムからステージに上がる。俺たちは二人同時だ。オープニングSEが盛り上がりを見せる時、袖から出ていく。ファンの歓声が一際大きくなった。
「今日の格好見て見て!」とアザミがくるりと回る。周りのスタッフさんはその無邪気さに笑う。あんなん、無理してんのバレバレなのに。
「この長ーいスカーフが尻尾みたいにフワフワして可愛いんですよ。」
サルエルの所為か、ポップな格好だ。しかし背の高いアザミはサルエルでも足が長く見える。
「ねえ、何で俺はショートパンツなの?がっつりインディーズのヴィジュアル系じゃん。」
「「初心に戻るため!」」
スタッフとアザミが口を揃えて言う。
「確かに昔はこんな格好してたけど……今になって。」
「似合ってるから大丈夫。」
笑いながら言われても凹むだけなんだよね。アットホームなこの空間も、最後だと思うて寂しかった。
「開演五分前でーす。」
袖に皆で集まると、円陣を組む。
「ラスト成功させるぞ!」
「「おう!」」
ハイタッチでドラムからステージに上がる。俺たちは二人同時だ。オープニングSEが盛り上がりを見せる時、袖から出ていく。ファンの歓声が一際大きくなった。