先生の紺色チェックのマフラー
「悠梨ー聞いてよー」
隣に座って私を見る悠梨にいつも通り話を振り、昨日のことを全て話し終えた私は答えを求める。
「…どう思う?」
そう言えば一生懸命、答えを考える悠梨。
少しだけ、時が流れて答えが出たらしい悠梨は口を開いた。
「んー、いきなり過ぎるから何も言えないよね。
でも愛美のこと心配してんじゃん?」
そういって悠梨は少しだけ、笑った。
それは少し無理矢理作ったような笑顔にも感じた。
「愛美の将来とか、ちゃんと考えてくれてるんじゃん?」
「そーかなー」
やっぱり大好きな事を突然奪われた私にはあまり理解しがたい話だった。
「ね、愛…」
――キーンコーンカーンコーン
悠梨の話を遮るかのように、チャイムが鳴って席に戻った。