愛する君に誓うこと
子どもの頃から、洋服が大好きだった。
デパートでアパレル部門の店員をしていた母はお洒落な人で、一人娘だった私に幼い頃から有り余るほどの洋服を買ってきてくれた。
私が小学校の高学年になると、週末は一緒にファッションビルを見てまわるのが恒例になった。
中学生になると、お小遣いの全てをファッション誌を買うために使うようになった。
高校生になると、大好きなブランドの洋服を買うために、アルバイトを始めた。
ファッションビルに入っているテナントの店員。
時給は安かったけど、洋服に囲まれて働けることが幸せだった。
大学を選ぶとき、私はやりたいことや学力よりも、いかに都心に近いかを重視した。
お洒落な街、お洒落な人が集まる街で生活したいという、高校生らしい単純な理由だった。
それなりに勉強し、都内のミッション系の女子大に入学した。
大学ではフランス文学を専攻したが、都内というだけで大学を選んだ私が興味を持てるはずもなく、必修単位を取得するために講義室に座り続ける日々を送っていた。