愛する君に誓うこと
大学から徒歩でも10分かからない距離のアパートに暮らし始めて、もう7年目になる。
大学院の博士課程まで進む学生は、この大学でも少数派で、同級生はほとんど大学には残っていない。
3つも4つも年下の学生たちとは、なんとなく話もノリも合わず、一人で行動することが多くなった。
もともと群れるタイプではないが、時々、無性に人恋しくなる。
最近、そう感じることが多いのは、一気に春めいてきたせいだろうか。
大学からアパートまでの途中にある、昔ながらの喫茶店。
通るたびに、嫌でも目に入る。
そのたびに、昔の記憶に引き込まれそうになる。
彼女――
北沢 薫
と過ごした記憶の中に。