あたしだけの執事さまっ
って…。


うわぁっ!!


もう着いたのぉっ


「って…。ええっまさか、此処じゃあ無いですよねぇ?橘さん~…っ!!!」


ガチャ。



橘さんに車のドアを開けて貰って、その白い手袋に捕まって、よいしょ。



降りたあたしは、其処で目を疑って。


固まった。



だってだって。




まるで西洋のスッゴい大きなお城。



白い壁には蔦が絡まって。



バルコニーや広い広いお庭。



薔薇とかが辺りに咲き誇ってて…。



うわぁっ!!


うわぁっ!!



だよっ!



あたし、クラクラ。



これって、夢かなぁ。


まだあたし、夢見てるのかなぁ?



なんて、ちょっとだけ。



目眩がしちゃったよ…。



うう…。


情けない位に、普通の女のコの反応だよね。

グスン。



「此方は、お嬢様の舘の一つ。リオ城No.21でございます。」


橘さん、胸に手を当ててお辞儀をする。



綺麗なフォームっ



背筋が伸びてるからかな?


橘さんが動くだけで、仄かに匂いがして。



スッゴい絵になるの。

って…。


リオ城って…。


おいおい。


しかもNo.21って…。


一体幾つあるのよおっ


「理央お嬢様…。お気に召さ無ければ何時でも、仰ってください。この城も、百以上ある舘のほんの一つ。私がお嬢様にと僭越ながら、選ばせて頂きました。」


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