あたしだけの執事さまっ
「あ…あのっ!そんな、頭下げないでくださいっ!」



逆にあたしは、はわわっ。


何か、丁寧語とかってくすぐったいって言うか。


慣れなくて…。


うう、だよぅ。


「いえいえ。お嬢様は本日より、竜泉寺の唯一のお嬢様ですから。」


橘さん、にっこり。


笑う。


「徐々に慣れて頂かなくては。」


「はっはいいっ」


って言うか。



慣れるってどうしたら良いのよっ



あたしは今まで15才まで、一般人だったんだよっ



クス…。


小さな笑い声が聞こえた。


「お嬢様。大丈夫ですよ。その為の執事です…。橘がこれより先の人生の全てを、守り支えましょう。その身を盾にしてでも、お嬢様をお守り致します。」


山茶花さんの言葉に、橘さん。


スッ。


胸に手をやり、屈んだ。



「仰せのままに。我がお嬢様。」
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