あたしだけの執事さまっ
…。


夢じゃなかった。


それから、数分後。


あたしは、着替えて顔を洗って。


再びリビングに。



夢っ!


絶対に夢だぁ。



確かめに向かうあたしは、そこでクラリ。


うあ…。



「あ…。お着替えになられたのですね。ですが、失礼。リボンが曲がって居ますよ?」


執事さまが、スッ。


あたしの頭に手を。


ササッ。



あたしのチャームポイントの、ピンク色のリボンを直してくれる。

「はっはひぃ…っ!ありがとぉごじゃいまふぅ…。」



うっあ。




今、仄かに香水の匂いがしたぁっ!



ちょっ…っ!


やっぱり。



コレって…。


現実ですかぁ~~~~!!?


はっ



あ…れぇ?



あたし、そこで疑問が一つ。


「でっでもでもっ!さっきあの…執事さま。迎えに来たって…言いませんでした?」



「はい…。お嬢様。私の名前は橘雪兎(ユキト)と申します。私の主である旦那さまの名前は、竜泉寺氷(りゅうせんじひょう)。理央お嬢様の実父に当たります。」



執事さま…いやいや。


橘さんが、あたしににっこりと微笑む。


「竜泉寺…て?いやいや。あたし、一條理央ですよっ!人違いですよぅ~~~~!!」


そうだよ。



だって、あたしには一応。



お父さんだって、居るのに。

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