あたしだけの執事さまっ
あたしの心中を察したのか、橘さんが口を開く。

「ご存知ありませんか?実は…お嬢様は、この一條の養子。色々と事情がありまして、お嬢様はこの一條に預けられました。元々、竜泉寺の舘は、生後間もなくより15の年まで、一般家庭で育てられます。理央お嬢様も、本日。4月1日にて15才。これより、竜泉寺の御淑女としてお戻り頂きます。」

カサリ。



橘さんはあたしに、戸籍謄本を差し出す。




うぁ~~~~!!




何気なく仕草だって、絵になるっ



って…。




違う違う…っ!




見とれてる場合じゃ…っ!




あたし。



その書類に目を通す。

養子。



そこにはその文字が、本当にあった…。



えええっ



ちょっと…っ!


ねぇ。




嘘でしょう~~~~!!?


「ちょっ…っ!ねぇ。お母さんっ!お父さん…っ!本当に!?だって、はわわ。嘘でしょう~~~~!!」


あたし、お母さんとお父さんに向き直る。



「理央ちゃん…。橘さんの言葉は本当よ?」

お母さんが、少しだけ辛そうにあたしを見る。


「今日から理央ちゃんは、竜泉寺のお嬢様なの。」



え?



お母さん…泣いてる…?



じゃ…っじゃあ。



まさか、ねぇ。




本当に?


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