風_現実(7月10日20:40更新)
もう、私の手が入っていない部分など無い。

このマシンを捨てるわけにはいかない。

だから、手軽に新しい車と交換なんてできない。

信頼性のある使える物は使い続け、不調なものは交換する。

だからこそ、この毒マシンは、毒マシンとして私の手となるのだ。

私と共に生きてきたのだ。

私と走り続けてきたのだ。

何気ない通勤の道を、休日のワインディングを、特別なサーキットを、過酷な競技を。

その瞬間を、再び待つ。
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