風_現実(7月10日20:40更新)
 クラッチから足は離れ、完全にギアが噛み合う。
 
 そこからアクセルを踏み込めば、その信号は、瞬時にコンピュータに伝わり、インジェクションによって増加され送り込まれる混合気(ガソリンと空気が混ざった気体)は、内燃機関であるエンジンのシリンダー内部へと吸気されていく。

 内燃機関の内部で起こった圧縮は、次の瞬間を待つ。

 圧縮された混合気は、スパークプラグの点火による爆発は、シリンダー内のピストンを押し下げ、クランクシャフトを回す。

 そこから、クラッチとギアボックスを介して回転を制御し、プロペラシャフトによって後方へと回転を伝える。

 それは、デファレンシャルギアへと伝達される。

 バトンを受け取ったドライブシャフトは、車体を前へ動かそうと回転を始める。

 一連の流れるような動作は、滑らかに転がるタイヤの回転を生む。

 そして、ゆっくりと走りだした。
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