そんな君が愛しい
「……大丈夫?」
俺は耐えきれず
女の子に話しかけた。
「……はい、大丈夫です」
女の子は俯いたまま
そう答える。
そして
「もしかして聞いてました?」
案の定、聞かれてしまった。
ここで
嘘をつくのも
アレだしなあ……ι
「…すいません」
俺は謝った。
それは現場を見たと
肯定していた。
「えへへ……。
一ノ瀬くんは
私に釣り合ってないよね」
笑って誤魔化しているけど
やっぱり
彼女は泣いている。