そんな君が愛しい
「あの子、可愛かったな…」
授業中、独り言を呟く俺は
“高杉 爽【ソウ】”。
高校1年生。
俺は高校入って
初めて恋をしてしまった。
名前なんて知らない。
廊下でぶつかった、
あの女の子に――――。
すると俺の独り言を
聞いていたのか
前の席の奴が後ろを向いた。
「なんだよ、恋か(笑)?」
馬鹿にしたように
俺に言ったのは
“一ノ瀬 亘【ワタル】”。
学年1のモテ男。
でも、
コイツの裏の顔を
女子は知らないんだ……。