恋せよ乙女

憂鬱



おばさんがアイツを連れて夜中に帰ってきたのは知っていた。

朝方、アイツだけが出ていったのも気付いてた。


おばさんがいる家に居るくらいなら学校の方がまだましだ。




視線をふと上げてみれば、そこには満開の桜が咲いていた。


いつもは新学期が始まる頃には散り始めているのに、今年は珍しく満開に咲き誇ってる。



あたしの憂鬱な気持ちも少しだけ和んだ。

ほぼ諦めに近いけど……。


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