恋せよ乙女
「ってか、無理だろ」
「なんで?今までみたいに…」
「無理。これじゃね」
そう言いながら彼は前の方を指差した。
彼の机と会話していたあたしは全く現状に気付いていなかった。
彼の指先が指す方向を見た瞬間、クラスの子達の視線が余りにも不自然に泳いだ。
「こーゆーのが嫌だったからあの時あー言ったんだろ?」
“金輪際あたしに話し掛けないで”
彼を見ると、少し自嘲的な笑みを浮かべていた。
彼は、きっと勘違いしてる。