ONE-SIDED LOVE
「ありす、中口のこと好きなん??」
『え??』
「がんばれー」
圭織と3人で寄ってきた友達
あまりにも声が大きすぎて唖然としてしまった
絶対バレた 最悪だ
そんな気持ちが心を支配した
テンション下がりながらの掃除時間。
男子は遊んでる
保育園から一緒の宮田頼治(ライジ)がゴキブリをホウキに乗せて近づけてくる
虫が大嫌いな自分
当然 『やめろや』と言いながら後ずさる
それを笑いながら見ている周囲
怖くて泣きそうになった時
「頼治止めろや。お前ウザい」
声の主を見ると中口くん
多分 中口くんは助けようと言ったわけじゃなく ただ本当に私たちがうざかっただけだと思う
だけどそれが凄く嬉しかった
「ありす、中口が庇ってくれたよ」
圭織が近づく
そう言われると照れくさくて調子に乗って そうなんだと思ってしまう。
相手の些細な行動でさえ 自分のためにしてくれたと思い込んでしまう