ONE-SIDED LOVE
担任は新しく赴任してきた男の音楽の出川先生
何か独り言が多くて ちょっと気持ち悪い
そんなことを思いながら新しい教科書を眺めた
とんとん…
後ろを振り向くと満面の笑みを浮かべた瑠璃
「一緒のクラス嬉しいな」
『うん。あたしも嬉しい』
HRが終わりみんなが思い思いに下校していく
もちろん残っている人も少なくない
「利幸~、帰ろうで」
不意に中口の声がする
「わりぃ、俺今日宇城と帰らんといけんけん…」
「わかった。じゃあぽん帰ろうで」
ポン太と一緒に帰っていく中口くん
ポン太=松田啓地マツダケイジ
あだ名が何でかポン太
「ありす帰ろ」
振り向けば 瑠璃と晴香
「うん」
玄関を出て校門を出ると中口くんとポン太の姿
「やったね。中口の後ろだょ」
『ぅん…』
「嬉しくない?」
瑠璃に問われる
『いや、嬉しいけど…話してみたいなあ~ってさ』
「ありす、、」
『ん??』
「かわいーぃ」
『うぎゃっ』
いきなり晴香に抱きつかれた
「頑張ってね」
『頑張るもん』
「てかありすって甘えん坊さんだね」
『う…』
女の子になら誰にでもぎゅーっていくからだろう
寂しいんだから仕方ないよ
と心の中でつぶやいた