forget-me-not
「黒川くんね、みっけたの」
『うん、で…?』
急かすように先を促す。なんで、そうなったのかと。
「いつもみたいに誘ったのよぉー。色々、こう、ね?」
『リカの色仕掛けね、はい、それで?』
「でぇ、全然靡かないのあの人なんて言ったと思う?」
逆に、質問された。
リカお得意のゆるやかな攻撃を交わして、かける言葉?
『ま、間に合ってます…?』
「っ、ぶ、ダッサー」
吹き出された。今の返答はダサいらしい。来世で男に生まれた時のために覚えておこうと思った。
『僕、人間じゃないよ?』
「え?」
『って、言うのよぉ~』
キャハハ、と携帯の画面を覗いたまま笑うリカ。
『じゃあなんなの?ヴァンパイア?って、聞いたらそれでも良いよ、だってぇ』
キャハハ、と、ますます笑うリカ。さして面白くない。
『あたしの友達にも変な子居るのよ、って、フウの話になったのよ』
「変な子、って…」
(…勝手に人の名前ネタに使わないでよね)