先生は蒼い瞳の狼くん*2nd





「サラ」


「…っ」


囁くような声


「そんなに落ち込むな」


落ち込むな、だなんて無理


どこの世界に、好きな人に知らない間に着替えさせられて恥ずかしくない人がいるもんか


そう言いたいけど、顔をみれないから黙っていると―…



「冗談だから」


たった、一言つぶやいた―…


「へ?」


冗談?


「…えっ?」


「着替えさせたのは本当だが、やったのは瑠花だから…心配するな」


そ、それって…


「千尋先生、からかったんですか?」


ひどいっ!


私の反応をみて楽しんでたの?


「はは、いい反応だったぞ」


「………~先生っ!」



"意地悪!"そう言いながら片手で先生を叩く


意地悪なのは出会ったころからだけど…最近、酷すぎる


「千尋先生のばかっ!」


日頃、ううん

この1週間ほどの意地悪に対する怒りをぶつけるように数回叩いていると、ガシッと先生が私の腕をつかむ


「ちょ、お前叩きすぎ」


「……っ」


だ、って…


「…サラ?」


黙りこむ私の顔を先生がのぞきこむと、先生の瞳に私が映る



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