先生は蒼い瞳の狼くん*2nd
「って、あら、いやだ…もうこんな時間か。千尋と話してたらすっかり忘れてた」
「?」
謙先生はそう言うと、ポケットから資料室とかかれた鍵を出した
「タコが…じゃなくて、校長先生に荷物だすの頼まれたんだけど、千尋に手伝って欲しくて。雪村も起きた事だし、別にいいでしょ?」
「…ぇ?」
拒否権はない!そんな言い方だ
もしかして
千尋先生、謙先生と行っちゃうの?二人きりで?
千尋先生を見れば、少し顔をしかめたあとに悩む様子もなく私に向かって軽く手をあげた
「………」
「悪い、雪村。謙の手伝いに行ってくるから、お前は帰れ」
「…っ」
そんな―…
「良かったー!じゃあ先に行くから早く来てよ!」
「あぁ」
千尋先生が頷くなり、謙先生は颯爽と保健室を出ていく
「……」
どうして?
どうして、行くの?
また私の目の前でそんなことをするの?
これも、意地悪なの?
「……っ」
わからない、こんなに千尋先生が分からない事は初めてだ
そんなに、私を苦しめて楽しいの?
「じゃあ、行くから」
いやだ
「帰ったら、着いたってメールするんだぞ?」
いやだよ
「サラ…?」
「……っ」
ギュ―…
気がつけば、私の手は先生の白衣を掴んでいた―…
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