先生は蒼い瞳の狼くん*2nd





「…っ」


手が震えてるのが、分かる


怖いから?千尋先生に怒られるのが?


いや、違う。自分の感情が怖いんだ―…


「どうした?」



心配そうな声で千尋先生が言う


「…で」

「え?」

「い、行かない…で」

「………」

「下さい…っ」


傍にいて欲しい

謙先生のところになんて、行かないでっ


「………」


その一言を言うだけで、どのくらいの勇気が必要だったか


行って欲しくない、傍にいてほしい


「千尋先生っ」


名前を呼んだ私に千尋先生は少しだけ笑って―…

















「サラ、仕事だから。悪い」



そっと、私の手を引き離した―…





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