先生は蒼い瞳の狼くん*2nd








「…」


帰ろう

帰れば、いいんだ


帰れば、しばらく先生を見ないですむ


だから、…かえれ…ばっ


「いいのにっ…」


帰りたくないっ


駄目だったって頭で理解してるのに

身体と心がいうことを聞かない


「千尋…先生」


やだよ


わたし、やっぱり…いやだ!諦めたくなんかない!


そう思い、バサッと布団から起き上がって、ベッドにある枕を握ったまま


私は保健室を飛び出した―…














千尋先生に言いたい事は沢山ある


聞きたいことだって沢山




だから、わたしは…
















「…はぁっ…」


先生のあとを追い走った廊下に千尋先生の背中が見えた


冬の季節だから、すこし薄暗く誰もいない廊下をあるくその姿を見つけるなり私は片手を振り上げた


「………っ」

手に持っているのは、さっきの枕


きっと、怒られる

だけど、いまの私には怖いものなんてないっ



だから―…


精一杯の力で枕を投げると何回も回転しながら―…


ドンッ


「いっ」


千尋先生の頭にぶつかった―…




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