先生は蒼い瞳の狼くん*2nd




「あの、すっごく大きい美術館…」


「ルーブル美術館か?」

「はい…」

「俺もまだ行った事ない」

「そうなんですか?」


「あぁ、いつか…一緒に行くか?」


「はっ………っ」


はい、思わずそう言おうとした言葉が止まる


はい、だなんて…別れるかもしれないのに


私ってば、何を言うんだろう


馬鹿なんだから…


そんな私の様子に千尋先生は頭を数回撫でる


「なんて、そろそろ真面目に話しするか」


そう言い、再び私を真っ直ぐ見つめてくる


千尋先生…


蒼くて綺麗なその瞳に私は目が離せない


「サラ」

「はい…」





「俺と、別れるつもりだっただろ?」


迷いのない彼の声に、私は否定もせず首を縦に動かした




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