先生は蒼い瞳の狼くん*2nd




悪かった、そう言って先生は軽く私に頭を下げた



「…千尋先生」


そんな風に謝られたら…別れよう、なんて言えない…


「あと、サラに相談しないで勝手に決めたのも謙に怒られたしな。グーで殴ったんだあいつ」


自分の頬を指さし、わずかに顔をゆがめた

想像するだけで痛い光景だ



「本当は、縛って無理矢理にでも連れて行きたいんだ」


「………」

「今年、卒業ならまだしも…サラはまだ一年ある。だからそれは出来ない」


先生…


そう言いながら、今も悩む先生に私は胸が熱くなる


「ねぇ、先生?」

「…?」




「先生って、私が思ってる以上に私の事好きなんですね」


「は?」


私の言葉に先生はポカーンとしてる



私がこんな事を言うのが珍しいんだと思う


だけど、いつも先生ばかり上目だからたまには私だって上に立ちたい



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