本気だからねっ!
あーあ。またやっちゃった。


すぐにヒステリーになるのはあたしの悪い癖。
嫌なこととか、自分の思い通りにいかないと、すぐヒステリーになって暴れちゃう。


「本気じゃないなら………ただの遊びなら、あたしに気がないなら、キスなんかしないでよ!!最っ低!!!」


あたしは瑞模君にそう言うと、立ち上がって屋上からでた。


最低、最低、最低!!
………でも、一番最低なのはあたしか。


辛いのが嫌だからって逃げて、千歳君の優しさに甘えてしまった。


馬鹿だよね、あたし。
もし、千歳君を選んでなかったら、瑞模君とちゃんと向き合っていたら、こんなことにはならなかったのかな?


もう遅いけど。
今更そんなこと言ったってさ。


「ふっ………ふぇ……」


屋上の階段を少し降りたとこの隅で、あたしはこっそり泣いた。


もう、本気で諦めなきゃ。
いつまでも瑞模君を引きずってちゃ駄目だ。


あたしは自分の頬を叩いて、気合いをいれた。
もう二度と、瑞模君に振り向かないように―――。










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