本気だからねっ！

ずっとはしゃいでいる橘を見てると俺まで楽しくなってきた。


「あ、ねぇ、何でいきなりどっか行こうとか言ってきたの？」


不思議そうな顔をして俺に問いかける。


「特に意味はねぇけど。ただの暇潰しかな？」


なんて、俺は答えるけど。
ほんとはただ、あのモヤモヤした気持ちをはやく振り払いたかったから。


ほんとに俺、どうしちゃったんだろ。


いきなり黙り込んだ俺を不思議に思ったのか、俺の顔を覗き込んできた橘。


「何？」


「や、瑞模君って面白いなぁって思って」


「………は？面白い？俺が？」


「うん。瑞模君面白いよ」


今までかっこいいとか、クールだとかは言われてきたけど(自分ではそうだとは思わないが)、面白いと言われたのは初めてだ。


「橘、お前大丈夫か？俺、面白いなんて初めて言われたけど」