本気だからねっ!
「ううぅー………」


あたしはどうしたらいいんだろう。


千歳君を選んだのはあたしだけど、瑞模君を忘れることが出来ないんだ。


「嫌だよー……。嫌………」


自分の矛盾している心が嫌で仕方ない。


泣きながら歩いていたあたしは、いつの間にか保健室に来ていたみたい。


授業を受ける気にもならなくて、あたしはたまたまたどり着いた保健室に入った。


「失礼します……」


コンコンッとノックをして、保健室に入る。


「あら?どうしたの?水沢さんが来るなんて珍しいじゃない」


中に入ると、篠田先生がいた。


篠田先生は養護教諭の先生で、優しいところとふんわりとした雰囲気から、生徒からの人気も高い。


「どうかしたの?泣いてるみたいだけど」


「………先生だったら、相手は本気になってくれないけど、大好きな人か、自分は嫌いではないけど好きでもない、でも自分のことをきちんと考えてくれて、優しい人のどっちを選びますか?」










< 119 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop