本気だからねっ!
「……あたしね、千歳君に返事したあと、たまたま瑞模君が来てね、……キスされたんだ。


そのあとあたし、ずっと泣いてて偶然保健室に来てたの。


それで、あたし先生にずっと話聞いて貰ってたの。それで気付いたんだ。


瑞模君が好きだって。


本当に、自分勝手でごめん」


そう言ってあたしは千歳君を見た。


そしたら彼は………


泣いてた。


「ごめん。今は見ないで。……つーか俺、かっこわりー。振られたくらいで泣くとか。
………ほんとごめん。杏乃ちゃん困るよね」


「あの……謝らないで。あたしの方こそごめん。千歳君は悪くないし、泣いたっていいよ。あたしがその立場になったら絶対泣いちゃうもん」


「ごめん。ちょっとだけ待って」


「うん」


あたしは千歳君が泣き止むまで、黙って歩いた。
千歳君も、泣きながら一緒に歩いてきた。










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