本気だからねっ！
千歳君は関係ないもん。あたしのことを好きになってくれただけ。
あたしが千歳君を傷付けちゃったのに、なんでこんなに優しいんだろう……。


「………なんでこんなに優しくしてくれるの？」


あたしは千歳君に聞いた。
だって不思議なんだよね。あたし、千歳君のこと傷付けたんだよ……？


「うーん……。好きだから、かな？杏乃ちゃんのこと好きだからだと思うよ」


そう言う千歳君は優しい笑顔で。


あたし、とってもいい人に好きになってもらえたんだなぁ、って思った。


「ありがとう。あたしみたいなのを好きになってくれて」


あたし、千歳君がいなかったらきっと瑞模君のこと諦めてたよ。


千歳君がいなかったら……瑞模君が本気で好きだって気付けなかったよ。


……ありがとう。千歳君。


あたしは千歳君にお礼を言うと、ありったけの感謝を込めて微笑んだ。










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