本気だからねっ!
みんなは腑に落ちないって顔してるけど、そんな顔されたって言えないじゃない!


“静原先輩にキスされました。”なんて!!


あたしは黒板の前に立って字を書き始める。


後ろからは物凄い視線を感じるけど、あえて見ないように頑張ってる。


しばらくしたら、千歳君が側にきて「手伝うよ」って言ってくれた。


「え、いいよ!千歳君も仕事あるでしょ?」


「大丈夫。もう終わったから。手伝わせて?」


優しく微笑む千歳君。


その笑顔に弱いんだよなー……。


「……わかった。これやってくれる?」


あたしは千歳君に一枚の紙を渡す。


千歳君はそれを見ると、黒板に字を書き始めた。


「………そう言えばさ、結局時夜先輩には何されたの?」


ぽつりと、千歳君は言った。


「えっ?……えっと…」


あたしはどう答えたらいいのかわからなくて、口ごもる。










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