本気だからねっ!
「………うん。わかった」


あたしはそう言って電話を切ると、いつものケーキバイキングの店に向かった。


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「………はぁ!?静原先輩とキスした!?」


「……うん。ってか、智佳声でかい」


「あ、ごめん。ってか、中森君は?神村君ともどうなってるのよ」


………そっか。
智佳には千歳君と別れたこととか、話してないことがいっぱいあったから、不思議に思うよね。


あたしは千歳君のことや、瑞模君のこと、静原先輩や梨紗先輩のことを話した。


「………そっかぁ。杏乃もいろいろあったのね」


智佳はそう言って紅茶を飲む。


あたしは食べる気力も飲む気力もなくて、ただ黙っていた。


「……まーた杏乃の悪い癖出てる!なんですぐ落ち込むの。ただ“しばらく話しかけないで”って言われただけじゃない」


……確かに、そう言われただけなんだけど……。


正直、千歳君にそう言われただけでショックを受けてることがビックリした。


言われたときはなんにも思わなかったのに、後になって悲しくなった。










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