本気だからねっ!
咄嗟に呼び止めたけど、言葉が詰まる。


「……話まとまってないなら、今話す必要もないんじゃない?」


やんわりと話すのを中断しようとする千歳君。


やっぱり、あたしと話したくないんだ……。


「ごめんね。……あのね、あたしが話したかったのは……なんで千歳君が“話しかけないで”って言ったのか。あたし、千歳君になんかしたかな?」


「………別に。なんでもないよ」


「なんでもなかったら千歳君、こんな態度取らないよ?
……あたし、なんであんなこと言われたのかわかんないの。お願い、教えて?」


あたしがそう言うと、千歳君はより一層機嫌が悪くなったように見えた。


「………千歳君…?」


「………く」


「えっ……?」


「ムカつくって言ってんだよ!!」


声を荒げてそう言う千歳君。


「千歳君!?どうしたの!!?」


千歳君の顔を見ると、今までにないくらいすっごい怖い顔をしていた。


「……意味わかんねぇよ。中森にキスされたのはまだ許せるけどさ、時夜先輩にキスされるとか、マジありえねぇ。最悪。杏乃ちゃんさぁ、注意力足りないんじゃない?」










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