本気だからねっ!
いきなりそんなことを言われても……。


どう返事をすればいいのか迷ってるうちに、続きの言葉が出てきた。


「……時夜先輩もさぁ、好きな奴いんのに、なんで好きでもない人にキスできんの?それが一番わかんねぇ。しかも、それを許す杏乃ちゃんも意味わかんない。


あのさ、好きな子に他のやつとキスしたって話を聞いたときの気持ち、わかる?」


いつまでも返事をしないあたしにイラついたのか、少し苛々した声でそう聞かれた。


「……正直わかんないよ。あたし、そう言うの聞いたことないから。
……でも、瑞模君が他の子とキスしたって聞いたらすごく辛い……」


あたし、キスしたとかっていう話は聞いたことないけど、知らない子とデートしてたり、エッチしたっていう話は聞いたことあるから、辛いっていうのはわかる。


……あのとき、すっごい辛かったもん。


「じゃあさ、それわかるのになんでいちいち丸まんまの話してくんの?」


「それは……っ、それは、千歳君が教えてって言ったからじゃん!!しかも、めっちゃしつこかったよね!?それなのに、聞いてから文句言うとか、意味わかんないんだけど!!」










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