それはまるで粉雪のように
「私が君たちの担任となった尾崎だ。1年間よろしくたのむ。」

尾崎教諭は自らの体格に合わない、とびっきりの笑顔で話した。

「では順番に自己紹介を頼む。」

尾崎教諭が自己紹介をやるよう促したその時、

「おい。」

また谷口であった。

「尾崎先生はボクサーか?」

「さあな……確かに体格はいいが……」

健二は谷口のボケに冷静に反応し、尾崎教諭を凝視する。

「まあ体格がいいスポーツなんざ無駄にあるが……あれはおそらく、ハンドボールじゃないか?」

「そうか?……俺にはボクサーにしか見えないぞ?」

「その前に谷口、お前さっきから喋りすぎじゃないか?」

「ん、そうか?」

座席が左右で並んでいるのを良いことに、ベラベラと喋り続ける健二と谷口。
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