それはまるで粉雪のように
「高校は注意せよと言ったのは谷口、お前じゃなかったか?」

「ああ、確かに言った」
何故か得意気な顔で答える谷口。

「じゃあ尚更、今話してちゃマズいんじゃないか?」

「ま、そうだけどさ……これはこれでいいじゃないか」

「まったく……」

健二がやれやれと頬杖をつこうとしたその時、

「御影、登校初日からお喋りか?」

尾崎が健二に注意勧告。しかし健二は、

「いいえ、隣の谷口が勝手に喋りかけてきたんです」

「え゛?」

声にならない声で反応したのは、もちろん谷口。

「そうか、ならすまなかった。谷口、罰として自己紹介、面白いことをしながらやれ」

「え゛?」

本日2回目のセリフを発した谷口にクラス一同の視線が集まる。健二だけは反対の窓を頬杖つきながら見ていた。

空は透き通るほど青かった。
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