それはまるで粉雪のように
―1年3組教室―

「さっきはありがとう!!」

美帆は、式で先生の様子を教えてくれた子に話しかけた。

「え……その……」

「ん?どしたの?」

「い、いえ……」

その女子はもじもじした様子で口を噤んだ。

「あなた、お名前は?」

美帆の後ろから汐見が話しかけた。

「わ、私……ですか?」

「うん、そうよ」

汐見は笑顔で言う。

「津守……」

「ん……?」

「つ、津守みさきっていいます……」

みさきは前より増してさらに口ごもりながら言った。

「へ~津守さんっていうんだ。私は豊川汐見!!よろしくね!!」

汐見はいつもの元気のまま自己紹介をした。

「私は岡本美帆。ホントにさっきはありがと!!」

美帆も汐見に負けず劣らずの笑顔で言った。その時、教室の前扉が開いた。

「あ、先生だ。」

「じゃあ座ろう。」

「そうですね……」

3人は各自、座席に着いた。
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