それはまるで粉雪のように
「なあ、平林とやら。俺にメールアドレスを教えてくれないか?」

「喜んでお受けしよう!」

「そうか!じゃあこれが俺のアドレスだから……」

「ふむ……いたって普通のアドレスだな……私のアドレスはだな……」

「……おおっ!!なぜこんなアドレスに!?」

「ふふふ……それはもちろん、そのアドレスの持ち主がこの私、平林だからだよ……」

「なるほど!!」

こんなやりとりを後ろでされている健二はたまったものではなかった。
付き合ってられない。そう思った健二は走り出した。

「おい、御影!!どうした!?」

「俺は先に帰る。お前らは好きにやってろ」

健二は谷口が自分についてくると考えていた。だが、

「じゃあ、そうさせてもらうわ。じゃな」

マジで残るのかよ……!!心の中で突っ込みながら健二は谷口と平林をその場に残したまま、家へと走って帰った。

空は依然として雲一つなく、そして青かった。
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