1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
そんなことを思い返しつつも私は走るスピードを上げ、

保健室の前まで行き、勢いよくドアを開けた。


そこにはまだベッドに横たわる愛夢の姿と、

心配そうに愛夢の手を握っている涼雅くんの姿があった。


「ハァッ…、涼、雅くん…」


「香菜ちゃん…、ごめんな、走らせたみたいで」


「ハァっ…うう、ん…っ、ハァ…愛夢、は?」


「まだ目を覚まさないんだ…」


「そっか…もうどれくらい経ってるの?」


「1時間…こんなに寝てるのは愛夢が海に入っていった日、以来だよな…」


「うん…」


「なんで、海に入って行ったのかな…こいつ…。

なんでこんなことのなってんだろーな、今…」

< 167 / 316 >

この作品をシェア

pagetop