1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
『どうしても、その理由がわからないの…。どうしてなんだろう?』




そんな事を言ってたんだ。


今思うと、もうあの時から涼雅くんのことがわからなかったんだ。


全て始まってたんだ…、記憶が失われるのが。


最初は本当に涼雅くんを恨んだ…。


でも、涼雅くんだって辛いんだ…。


そう思うと責める気にもならなかった。


だから、愛夢が私に言ってくれた、

海に入った理由も涼雅くんにはどうしても告げられなかったんだ…。





貴方の苦しむ姿を私も見たくなかったから……――。


[香菜side 終]

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