1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
「そんなにアイツが好きなのかよ。そんなにアイツが良いのかよ」


「うん」


「…俺じゃ、ダメか?俺じゃダメなのか?」


そう、俊くんは私を抱き締めながら言って来た。


ごめんね…、俊くん。


「…ぅん。ごめんなさい…。俊くんには、本当に感謝してるんだよ。

言葉には表せないくらいに」


「感謝なんていらないっ!!欲しいのは、愛夢だけなんだっ!!

お前の心だけなんだよっ!!何でこんなに好きなのに想いが伝わんねぇーんだよっ」


「(っ… 俊くん…)」


痛いほど彼の気持ちが伝わって来て、余計に苦しくなった。


だけど私は意を決して、抱き締めてくれていた俊くんの腕から逃れた。


面と向かっていった方が良いと思ったから。

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