1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
[涼雅side]


ヤベッ…、アイツ泣いてたよな…。


俺はまた憂さ晴らしに、女を屋上のドアの横に連れ込んでだ。


そして最中をアイツに見られたんだ。


アイツの泣き顔は見たくないって思ってたのに、俺が泣かせちゃってんだもんな…。


アイツがよく泣いてるのは俺も知ってた。


でも、声も掛けるわけにもいかねぇーし、ただただ見守ってたんだ。


今だって、本当は追い掛けて抱き締めたい。


でも、俺にはその資格がないんだ…。


追い掛ける資格なんて…。


「涼雅ぁ~、早く…来て?」


「…」


甘ったるい声で言われても、今はヤる気にもならなかった。

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