1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
放課後になって私は久しぶりに香菜に声を掛けた。


「帰りながら話そう」


「…うん」


私たちの間にはぎこちなく、重い空気しか流れていなかった。


「…愛夢、ずっとごめんね」


「…うん。私、怒ってるわけじゃないんだよ…。

だって、人を好きになるのは自由だもん。

だから、香菜が涼雅を好きになったことに怒ってるわけじゃないの」


「うん…」


「ただ、言って欲しかったの…。黙っててないで、私に言って欲しかった。

でもね、香菜の気持ちに気付いてあげられなかった自分に一番腹が立ってる」


「違うよ、愛夢のせいじゃないのっ!!ごめんね、ごめんね…」


「香菜…。ねぇ、あのとき、好きな人…がいるって言ったの、涼雅のことだったの?」


「…うん」


「…そっか」

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