1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
「でも、でも私」


「もういい、わかったから。もう、何も喋らなくていい」


「涼雅っ」


「ごめんな、俺も愛夢がそんなに考えてたなんて気付いてやれなくて。

でも、なんとなくは気付いてたんだ。お前が何か1人で抱え込んでるって。

それを聞こうかと思ったけど、聞けなかったんだ。

待とうって、愛夢が話してくれるまで待とうって。きっと心の奥底で、怯えてたんだ。

無理にでも聞き出したらお前に嫌われるんじゃないかって。

ただ、臆病だったんだ。ごめんな、1人でこんなにも苦しんで、何もしてやれなくて。

彼氏、本当に失格だよな」


そう、私を抱き締めながら言った。


最後に「ごめん」と言って。


「涼雅のせいじゃないよ。(今、言おう…思ってたこと。今、言わなきゃ)

涼雅…、あのね」


「うん」

< 296 / 316 >

この作品をシェア

pagetop