1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
「私、本当はずっと素直になれる勇気が欲しかったの。

素直になれなくて、涼雅のこと好きだったのに、言えなくて、

だから…、こんなことになっちゃって」


「違うよ、お前のせいなんかじゃないんだ。俺がいけなかったんだ」


「涼雅のせいじゃないよ。私が言えなかったの。

その理由が、今ちゃんとやっと、わかったんだ。

言ったら、香菜のところに涼雅が行っちゃうんじゃないかって。

ただそれが怖くて、言えなかったの、ごめんね、ごめんなさい、涼雅。

勝手に振り回して、何も言わなくて遠ざけてごめんね」


「いや、俺も悪かったんだ。これからはちゃんとお互い、話し合おうな。

辛いとき、苦しいときは1人で抱え込まず、2人で分け合おう。なっ?」


「うんっ。ごめんね」


「いいよ。これで仲直りだ」


「うん…っ」

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