1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
そう、小さく香菜は呟いた。


「そっか…。ごめんね…。たとえ忘れたとしても、

また絶対に思い出すから大丈夫だよ。絶対に忘れたりなんかしないから」


「うんっ!!ありがとうっ!!」


そう言って、更にギュッと抱き付いてきた香菜を私も抱き締め返した。


このとき、こんなこと言わなきゃよかったのに…、

そう後悔することになるとはこのときはまだ知る由もなかった…。

これが全ての始まりだったのだ…。


そう、これはまだほんの一部にしかすぎなかった…。


学校、授業もいたって普通だった。


しかし、ことが起こったのは放課後だった。


久しぶりに涼雅が迎えに来たのだ。


涼雅が来るたびに聞く女子の黄色い声。


そこまでは確かにいつもとなんら変わりはなかった。

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