1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
「その敬語やめてくんない?」


「えっ…、でも……」


「お願い」


「わかりま…、わかった」


「うん。早く記憶、戻れるように頑張れよ」


そう一言、言って私の頭を軽くポンポンと叩くと、

振り向かず手を振って行ってしまった。


『トクン…』と私の胸が高鳴ったのを自分で感じた。


私、どうしてあの人のこと知らないの…覚えてないの?


この切ない気持ちは何?


知らない人のはずなのに……。


本当に何故か懐かしく感じる……。


なのに、私は知らない…どうして?

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